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李香蘭の中国語

李香蘭の中国語_b0102720_016132.jpg≪蘇州夜曲~「支那の夜」より≫


もののあはれを知るゆゑに
水のひかりぞなげかるる。
身をうたかたとおもふとも
うたかたならじわが思ひ。





CSのチャンネルNECOで李香蘭特集をやっていて、そこで放映された1940年の映画≪蘇州夜曲~「支那の夜」より≫でやっと本物の李香蘭を見ることができました。
本物の李香蘭と当時の上海、上戸彩版とはずいぶん違います。
(再放送もあるので興味のある方はどうぞ)

中国侵略を正当化する国策映画といいながら、爆撃で荒廃した上海の風景が痛ましく、戦争で一家離散した李香蘭に同情せざるを得ない内容なのは、もともと「支那の夜」というタイトルだったのを、戦後編集して「蘇州夜曲」と改題したとき、内容をかえたのかもしれません。

上のセリフは、長谷川一夫が李香蘭と蘇州へ新婚旅行言った時に口にする詩で、出典は佐藤春夫の水辺月夜の歌。谷崎潤一郎夫人千代子への横恋慕を歌ったものだとか。

李香蘭の中国語は、中国人俳優とされていたのが十分うなずけるほど上手です。
中国語のシーンで一切字幕がでないのが不思議でした。


「殉情詩集」

水辺月夜の歌
佐藤春夫 

せつなき恋をするゆゑに
月かげさむく身にぞ沁む。
もののあはれを知るゆゑに
水のひかりぞなげかるる。
身をうたかたとおもふとも
うたかたならじわが思ひ。
げにいやしかるわれながら
うれひは清し、君ゆゑに。

by chinafish | 2009-02-09 00:19 | 映画
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