軽い気持ちで立ち読みしたら、よくある中国本とは一線を画した必読ものの面白さでした。
作者は1941年、中国長春市生まれ。現在、筑波大学留学生センター(物理工学系所属)教授。自分自身が接した中国人という豊富な一次情報に基づく内容はとても説得力があります。
本題の「日本のアニメと漫画が中国を動かす」ことに関する考察も文化論としてたいへん読み応えがありますが、後半の反日教育やアメリカ下院本会議の「慰安婦決議案」に関する考察は、「中国国内の不満を抑える国内政策としての反日」といった表面的な意見とは違った新鮮で詳細な中国論となっています。
それが事実であるかどうかは新たな検証が必要でしょうが、とても新鮮な視点で、こうした見方もまた中国に関する一つの真実なのでしょう。
日本の漫画って中国で人気あるよねって私もよく言いますが、それを深く掘り下げた内容に素直に感動です。