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一 翦 梅

hehualu2000jp さんのブログで素敵な中国詞を知りました。
(http://blogs.yahoo.co.jp/hehualu2000jp/36382420.html)

女性が恋する想いを詠った詞です。
WEB上の情報をもとに、自分で訳を付けましたがあまり自信はありません。

李清照(1084年~1151年頃)は、両宋(北宋・南宋期)の戦乱時代の著名な女流詞人だそうです。
詳しいことはこちらをどうぞ。

http://www5a.biglobe.ne.jp/~shici/liqngzmn.htm



lǐ qīng zhào
李 清 照

 yī jiǎn méi

    一 翦 梅

hóng ǒu xiāng cán yù diàn qiū
紅 藕 香 殘 玉 簟 秋 。
qīng jiě luó shang dú shàng lán zhōu
輕 解 羅 裳 , 獨 上 蘭 舟 。
yún zhōng shuí jì jǐn shū lái
雲 中 誰 寄 錦 書 來 ,
yàn zì huí shí yuè mǎn xī lóu
雁 字 回 時 , 月 滿 西 樓 。

huā zì piāo líng shuǐ zì liú
花 自 飄 零 水 自 流 。
yī zhǒng xiāng sī liǎng chǔ xián chóu
一 種 相 思 , 兩 處 閑 愁 。
cǐ qíng wú jì kě xiāo chú
此 情 無 計 可 消 除 ,
cái xià méi tóu què shàng xīn tóu
才 下 眉 頭 , 却 上 心 頭 。


紅い蓮の花の僅かな残り香
竹の敷物の冷たさに秋を感じる
薄裳の衣装を脱ぎ、私は独り船に乗る
雲の中の誰があの人の便りを届けてくれるのだろう
雁の群れが帰る時
月の光が私の部屋を明るくする

花はやがて散り、川の水は変らず流れていく
相思相愛の同じ想いを、二人離れて愁えている
この思いは決して消え去ることなく
悲しみの面持ちが落ち着いた今
かえって強く心にこみ上げている


離れ離れになった恋人を想う歌でしょうか?
後段の対になった言葉に、中国語独特の味わいを感じます。

「花自飄 零水自流」
花は自ずと衰え、川は自ずと流れる。
女性である自分は若さを失っていき、しかし相手は歩みをとめない
「一種相思 兩處閑愁」
一つの想いと離れた二つの場所
「才下眉頭 却上心頭」
表に出ていた悲しみが納まるのとは逆に、心中の悲しみは増していく

12世紀頃の作品ですが、充分共感できる歌だと思います。
by chinafish | 2006-05-20 18:10 | 成句詩句
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