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中国建築の類型1 内城外郭

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中国古代都市の特徴である 「内城外郭」とは、中央に城壁で囲まれた王城が位置し、その外周の一般住居や生産場を外郭が防御する都市の形式である。
すなわち、広大な平原に城郭を築くことで都市が形成される。

中国における「城」は、都市や村などの居住地の全周を囲む防御施設を指す。
いまでも中国語で都市のことを 「城市」と言うのはこうした都市の成り立ちが背景にあると言える。


殷の時代の都市国家は、宮城や宗廟等の中核となる施設を強固な城壁で囲い、さらにその周囲の一般居住区を比較的簡単な土壁で囲うという構造のものである。
戦時には、住民は、丘陵上の、堅固な城壁で囲まれた区画に立てこもり防戦したと思われる。

 西周時代(12,3c.BC.~BC.770年)には、さらに外壁が強化され、内壁=城と、外壁=郭からなる二重構造、つまり、「内城外郭式」が明確に認められる。

儒教の経典「周礼」考工記には都市に関する規定がまとめられており、その後長く都市計画の規範として用いられており北京市もその名残を残している。

一、王城は一辺九里の正方形で、東西南北の各城壁に各々三門、合計十二の城門を開く。
二、東西軸と南北軸にそれぞれ三本、合計九本の幹線道路を通し、城を巡る環状道路を城壁沿いに造る。
三、南面する王宮から見て、右に社稷壇(土地と穀物の神を祀る祭壇、上に屋根はない)、左に宗廟(王室の先祖を祀るおたまや)を造る(左祖右社)。
四、王宮の前に朝(政務を執る所)を、後に市場を造る(面朝後市)。

現在、ほとんどの都市は交通の障害になるので城壁の撤去を進めている。
撤去された跡は広い幹線道路になっていることが多い。
城門や城壁の一部を保存している都市もある。
by chinafish | 2005-06-03 16:37 | 中国建築
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